さっそく工場の片隅でプリンの試作が始まりました。最初は基本の配合からはじまりアレンジしてナメラカトロトロを目指しました。昔のしっかりしたプリンに対して口の中で溶けてしまうような食感を目指しました。
プリン作りに使用するのは和菓子の機器です。洋菓子らしい機器といえばモダンミキサーとデッキオーブンくらいでした。スタッフには何度か試食をしてもらいましたが、その顔から「まだまだ」という意見が声なく聞こえてきました。そして、パティシエにアドバイスを受け、何度も何度も試作が繰り返されました。
さらに、プレーンのプリンが完成していないところに、店頭で人気の「ゆずぐるとソフトクリーム」のテイストでプリンができないかとデザイナーからの注文も入りました。試行錯誤が続き、オーブンから出てくるプリンも食べ飽きた頃、なんで水のなかで焼くの?と疑問が湧いてきました。デッキオーブンで水焼きする意味は?
疑問から理論を学ぶことになり、行き着いたのは蒸しプリンでした。そして、蒸すことにかけては、和菓子屋の経験と技術が活きるのではないかと工場長と社長に相談しました。ここからはトントン拍子で次々とプリンが完成しました。
2017年11月末にプロジェクトが始まり試作を繰り返し、2018年3月24日の発売にこぎつけたのです。それが輪島プリンでした。